「こなれ感」や「抜け感」といったファッション用語は、雰囲気は伝わっても正確な意味が分かりにくいかもしれません。
本記事では「こなれ感」「抜け感」などのファッション用語について解説をするとともに、用語の意味する着こなしやコーデを紹介します。
いまさら聞けない「抜け感」「こなれ感」コーデとは?
・抜け感コーデ
例えば、緊張度の高い式典やビジネスシーンなどでは、肌の露出を控えて重厚感のある色のきちんとした装いをすることが多いと思います。ですが、式典やビジネスが終わると、思わず首元のシャツのボタンを開けたり、袖をまくったりしてリラックスしたくなりませんか。
このように、上品できちんとした装いでありながら、首元・手首・足首などを適度に肌見せすることや、明るい色でどこか肩の力が抜けた軽やかな着こなしにするのが「抜け感」です。
上下ダークカラーのコーデには、明るい色のバッグを差し色にとりいれたり、パンプスで足元の肌を少し露出したりして軽快さをプラス。バッグなどの小物で「抜け感」を作るのは、ダークカラーコーデにおすすめのテクニックです。
・こなれ感
パンツの裾をロールアップして足首を出すと「抜け感」のある着こなしになります。この時にさり気なく裾をまくったり、自分らしくおしゃれな着こなしにしたりするのが「こなれ感」です。
おしゃれをがんばっているという印象ではなく、おしゃれを楽しんで自然に自分の着こなしと感じさせることが「こなれ感」につながります。
パンツの裾を細くロールアップして着こなしのアクセントにすると、抜け感だけでなく「こなれ感」もある着こなしに。細めのロールアップは、きれいめな印象に仕上がるので、大人世代にも取り入れやすいテクニックです。
大人の女性向け「抜け感」「こなれ感」を作りやすいアイテム
・ゆったりシルエットワンピ
抜け感コーデをつくる方法のひとつとして、コーデのどこかに‘ゆったりシルエット’を取り入れる事が挙げられます。ゆったりとしたワンピースやチュニックは、そのシルエットから肩の力が抜けたおしゃれと親しみやすさを演出します。
あえてワンピースの首元を広く開け後ろにずらし、明るい色のハイネックをインナーにして見せる着こなしは抜け感が増すだけでなく首周りをカバーできます。
・シースルー
控えめなシースルーやレースといった肌見せは、きちんとした印象を与えるモノトーンやダークカラーなどのコーデに上品で軽やかな抜けを演出します。
シースルーがフェミニンな印象のコーデには、足元をパンプスではなく、カジュアルなスニーカーにして‘はずす’ことで、抜け感とおしゃれ度がさらにアップします。
シースルートップスは、レイヤードコーデと相性が良いのでニットやアウターを重ね着するのもおすすめ。素材の違いが際立ってメリハリのあるコーデに仕上がります。
・ラフな着こなし
・トレンドアイテム
シンプルデザインやベーシックカラーのコーデに、どこか1点トレンド要素を加えることでも「こなれ感」が生まれます。トレンドカラーのバッグや靴、トレンドのアウターなどを着こなしに取り入れると、こなれ感を簡単にプラスすることができておすすめです。
黒のシンプルコーデにトレンドのロングジレを羽織ると、ジレの色が差し色になってコーデに華やかさとこなれ感をプラスします。また、ロングジレはコーデの中に縦長のIラインを作り出し、インナーの収縮効果のある黒と相まって着痩せ効果も期待できます。
失敗しない「抜け感」「こなれ感」コーデ
こなれ感のある着こなしの代表と言えば、トップスのフロントをインする着こなしです。しかし、もっと簡単にこなれ感コーデを完成させたい方におすすめなのは「こだわり」や「個性」が感じられるアイテム使いです。きれいな落ち感のある素材やスタンドカラーの襟元、袖、裾が自然に広がるなどのディテールにこだわりが感じられるアイテムは、着るだけでこなれ感を演出することができます。
長袖に七分袖アウターをレイヤードする着こなしは、コーデを立体的に仕上げてこなれ感を演出します。ボーダーやブルゾン、スニーカーといったカジュアルなアイテムに、エレガントなフレアースカートをあわせることで、はずしが効いた大人のおしゃれな着こなしに仕上がります。
まとめ
コーデに明るい色を用いたり少量の肌見せをしたりすると「抜け感」を加えられます。
「抜け感」は、
- 控えめな肌見せ(足元や手首、デコルテ周り)
- ゆったりシルエットのオーバーサイズトップスやワンピース
等で演出できます。
一方、「こなれ感」は、
- エレガントな服装にカジュアルなシューズを組み合わせるなどのミックステイストコーデ
- こだわりや個性が感じられるアイテムづかい
等で演出することができます。
抜け感やこなれ感を意識した素敵なコーディネートで、毎日のおしゃれを楽しみましょう。
川島彩子
プロフィール
カラーコーディネーター/イメージコンサルタント
PlusColor代表
インポートブランドのショップスタッフ時、人それぞれに「似合う色」「デザイン」がある事を知り「色」と「ファッション」について専門的に学び独立。
現在は、カラーコーディネーター育成や、企業、地方自治体等が主催するファッションセミナーやショップスタッフへの研修を多数行い、受講者には、自分に似合いT・P・Oにあったアイテムを選べるようになった、と定評がある。